
「総資産は増えているはずなのに、生活に使えるお金がどれくらいか分からない。」
そんなときに効くのが、マネーフォワードME上で現金・預金と暗号資産を“別物”として見える化することです。
ただ、標準の資産表示では両者が同じ枠で集計されやすく、暗号資産の値動きが家計の安心感まで揺らしてしまうことがあります。
本記事では、公式でも案内されている方法をベースに、「分けて見える状態」を作って相場ストレスを下げる手順を、投資行動の心理面も踏まえて整理します。
- ✅ (マネーフォワードMEで現金・預金と暗号資産が混ざって見える理由)
- ✅ (タグ/Myポートフォリオ、グループ機能で「分けて表示」する具体手順)
- ✅ (暗号資産の値動きに振り回されない“見える化”の運用ルール)
マネーフォワードMEで暗号資産を分ける最短ルートは「タグ×Myポートフォリオ」です

結論として、マネーフォワードMEで暗号資産を現金・預金と分けて管理したい場合、資産形成アドバンスコースで使える「タグ/Myポートフォリオ機能」を使う方法が最も分かりやすいです。
標準の「資産」画面では、仕様上、現金・預金と暗号資産が同じカテゴリとして集計されることがあります。
そのため、家計の安全資金(生活防衛資金)まで暗号資産の値動きに連動して見えてしまう点が、ストレスの原因になりやすいです。
タグで「現金」「暗号資産」を作り、Myポートフォリオで別枠表示にすると、“使ってよいお金”と“値動きする資産”を視覚的に分離できます。
標準表示で混ざるのは仕様であり、分離には「表示の設計」が必要です

「資産」画面で現金と暗号資産が同じ枠に見える背景
マネーフォワードMEでは、資産の全体像を素早く把握できる一方、標準表示では現金・預金と暗号資産が同じ資産分類の中で集計される場面があるとされています。
これは「総資産」を一目で見せる設計思想としては合理的です。
しかし、暗号資産は価格変動が大きいため、家計管理の文脈では“ノイズ”として働く可能性があります。
そこで重要になるのが、目的別に“見る画面”を分けるという発想です。
「見える化」が投資行動を変える理由(心理学の観点)
暗号資産投資で損失が膨らむ典型例は、値動きを見続けてしまい、感情で意思決定するパターンです。
行動科学では、損失を過大に感じやすい傾向が知られており、評価額の上下が頻繁に目に入ると、売買回数が増えやすいと考えられます。
この点で、現金(守る資産)と暗号資産(増減する資産)を同じ温度感で眺めないことは、投資の安定に寄与します。
つまり「分ける」は家計簿のテクニックではなく、感情の暴走を止めるための環境設計でもあります。
Myポートフォリオで分離表示を作ると、“今日は暗号資産を見る日ではない”を実行しやすくなる点が実務上のメリットです。
公式もニーズを認識しており、今後の改善余地がある
公式の案内では、タグ/Myポートフォリオを使った「現金と暗号資産の分離表示」が紹介されています。
また、SNS上のやり取りでは、タグ等を使わずに暗号資産を分離表示する機能は検討中である、という趣旨の発信も見られます。
現時点では、利用者側が「分けて見るための設計」を作るのが現実的です。
その設計の中心が、タグ/Myポートフォリオ、またはグループ機能になります。
そして、分離表示ができると、資産配分の意思決定(リバランス)の質が上がりやすいと考えられます。
タグ・Myポートフォリオ・グループで「分けて管理」する実務例
例1:タグとMyポートフォリオで「現金」と「暗号資産」を別枠にする
最もおすすめしやすいのは、「現金」タグと「暗号資産」タグを作り、Myポートフォリオで別々に表示する方法です。
大まかな手順は次の通りです。
- 「暗号資産」タグを作成し、暗号資産取引所口座や暗号資産に紐づく資産をタグ付けします。
- 「現金」タグを作成し、銀行口座や現金などをタグ付けします。
- Myポートフォリオで、上記タグを使って表示枠を分けます。
この形にすると、暗号資産の評価額が上下しても、生活資金の実態が別枠で把握できます。
家計管理の観点では、「暗号資産を除いた純資産」を定点観測できる点が大きいです。
応用:BTC・ETHなど通貨ごとにタグを分ける
公式の紹介例として、暗号資産をひとまとめにせず、ビットコイン、イーサリアムなど通貨ごとにタグを切る運用も案内されています。
この方法は、暗号資産の中でも値動きの性格が違う銘柄を分けて見られるため、整理に向いています。
一方で、細分化しすぎると管理コストが上がるため、「意思決定に使う単位」までに留めるのが現実的です。
例えば、長期保有の主要2銘柄だけを分け、残りは「アルトまとめ」のように設計すると破綻しにくいです。
例2:グループ機能で「暗号資産だけ」「暗号資産を除外」を切り替える
アドバンスコースの機能を使わない場合でも、グループ機能で口座単位に表示対象を切り替えることで、実質的に分けて見ることが可能です。
具体的には、暗号資産取引所を同じグループにまとめます。
そして、「暗号資産グループ」だけを見る、または「生活資産グループ」だけを見る、という切り替えを行います。
この運用は、“今日は家計だけ見る”を徹底したい人に向きます。
注意点:口座をまたぐ資産分類には弱い
グループは口座単位での切り分けが中心になるため、1つの口座内に複数の性格の資産が混在する場合は整理しにくいです。
また、細かな分析(暗号資産の内訳など)をしたい場合は、タグ/Myポートフォリオの方が向いていると考えられます。
そのため、まずグループで大枠を分け、必要に応じてタグに進むという順番が、失敗しにくい導入手順です。
この段階設計ができると、設定疲れで挫折するリスクを下げられます。
結果として、分離表示が“続く仕組み”になりやすいです。
例3:連携拡充(例:Coincheck)を前提に「暗号資産の全体像」を一段上げる
暗号資産サービスとの連携が進み、取引所以外の残高(例として貸暗号資産など)も、マネーフォワードMEで管理できるようになってきたとされています。
この場合、暗号資産関連の口座・残高を漏れなく取り込んだうえで、タグやグループで分けるのが効果的です。
取り込みが中途半端だと、「暗号資産比率が実態より低く見える」といった判断ミスにつながる可能性があります。
暗号資産の比率が正しく見えると、リスク資産が膨らみすぎたタイミングで気づけるようになります。
これは、リバランスの意思決定を自動化しやすくする土台にもなります。
暗号資産が上がると総資産が増えて安心する一方で、下がると家計まで不安になり、夜に相場を見てしまうという相談です。
私が最初に提案するのは、マネーフォワードMEの表示を「家計モード」と「運用モード」に分けることです。
具体的には、現金・預金は生活防衛資金として別枠で固定表示し、暗号資産はMyポートフォリオ側に隔離します。
次に、暗号資産を見る頻度を決めます。
相場チェックが止まらない人ほど、ルールを「毎日見る」ではなく「週1回だけ見る」に寄せた方が、結果的にパフォーマンスが安定しやすいと感じます。
最後に、下落時の行動を事前に書いておきます。
「一定比率を超えたら買い増し」「それ以外は何もしない」と文章化すると、狼狽売りの確率が下がる傾向があります。
暗号資産を分けて見えるようにすると、家計の安心と投資判断が両立しやすくなります
マネーフォワードMEで暗号資産を分ける目的は、単に表示をきれいにすることではありません。
現金・預金(守るお金)と暗号資産(増減する資産)を分離し、意思決定を落ち着かせることが本質です。
現状、標準の資産表示では両者が同じカテゴリで集計されやすい仕様があるため、分けて見たい場合はタグ/Myポートフォリオ、またはグループ機能の活用が現実的です。
特に、資産形成アドバンスコースのタグ/Myポートフォリオは、ポートフォリオ画面上で現金と暗号資産を視覚的に分離できる点が強みです。
加えて、暗号資産連携が拡充している流れもあるため、取り込み漏れを減らしつつ、分類設計で“見え方”を整えることが重要になります。
まずは「現金タグ」と「暗号資産タグ」だけ作るところから始めてください
分けて管理しようとすると、最初から完璧な分類を作りたくなります。
ただ、継続こそが成果につながるため、最初は「現金」と「暗号資産」の2タグだけでも十分です。
この2つが分かれるだけで、生活の安心感と、投資の冷静さが同時に戻りやすいです。
慣れてきたら、BTC・ETHなどの内訳タグや、長期・短期といった運用方針タグを追加するとよいと思われます。
「見るべき数字だけが目に入る環境」を先に作ると、相場に振り回される時間を減らし、本業や睡眠の質も守りやすくなります。




